
あなたは起業の時に『事業計画書』は必要だと思われますか?そもそも『事業計画書』がなければ、事業は成功しないものなのでしょうか?はっきり言って必ずしもそうとは言い切れません。
『事業計画書』なるものがなくても大成功を収めた事業は世の中に存在します。例えば、パソコンメーカーのコンパックの場合、創業時には紙切れに新しいパソコンの絵が書かれていただけであった、ということです。それでもコンパックは、米国のベンチャー投資家から巨額の出資を集め、大企業へと成長していきました。
しかしこのようなケースは稀であると考えるべきでしょう。やはり事業を始めようとするときには『事業計画書』を作るべきでしょう。では、何のために『事業計画書』を作らなければならないのでしょうか?

まず、事業計画書は、事業を成功へと導く羅針盤として自分自身の為に必要であると言えるでしょう。どのように事業計画書を自分自身の為に活用するかというと…
1) 事業計画書で自分の事業成功の為の必要条件を整理すること。
新しく事業を立ち上げるとなると、いくつかのハードルがあり、それらの条件をクリアーしていく必要があります。
主要な条件をあげますと
- 市場ニーズがその事業にはあるのか
- 対象とする市場にアクセスできるのか
- 商品やサービスを適正な価格で提供できるのか
- 適正な品質で提供できるのか
- 競合他社に対して競争力はあるのか
- 調達先が確保できるのか
- 利益が出せるほどの売上規模が確保できるのか
- 資本金が確保できるか
- 運転資金が確保できるか
- 売掛金の回収に問題はないか
- 従業員が確保できるか
- 業務が継続的かつ適切に処理できる
などが挙げられます。これらの条件がすべてクリアーした時にはじめて事業は成功するのです。
2)事業計画書で事業の進行具合の進捗管理をすること。
事業計画では数値のシミュレーションも必要になります。簡単にいえば、売上がどれくらいで、経費がいくら掛かって、最終的にいくらの利益がでるというのを数値で予測することです。
この数値のシミュレーションは作成段階においても重要ですが、もっと重要なのは、その予測した各数値が、実際事業として活動し始めてからの数値と、どれくらいの誤差が生じたのかを確認し、その誤差の原因を解明し、計画の修正を実施することです。
しかし、残念なことに、この進捗管理を疎かにしているケースが多いようです。自分の事業の問題点を把握できないまま月日を重ね、気がついた時には、とりかえしのつかない状態になっており、結局は倒産に追い込まれるというケースは決して少なくありません。
数値シミュレーションの進捗管理をきっちりしておけば、ここまでの事態になるまでに、未然に防げたものを、というケースは往々のしてあるものです。
次に必要な理由は、『事業計画書』は協力者を納得させる最高のツールであるということです。
ここでいう協力者とは何だと思われますか…それは、融資をしてくれる金融機関、事業の資金として出資に協力してくれる出資者、取引先などなどです。これらの協力者からの協力を受けることによって、あなたの考えている事業は、あなたが考えている以上に大きな事業へと発展する可能性があるわけです。
それではこれらの協力者は、あなたの事業に協力するかどうかは、どういったとこから判断するのでしょうか?
いろいろな判断材料はあるでしょうが、究極の所は、あなたという人物がどの程度信頼できるか(裏切られるリスクが少ないかどうか)ということと、あなたに協力すれば、自分にどの程度のメリットがあるかという2つの要素を天秤に掛けて、リスクよりもメリットの方が多そうであれば協力しよう、と判断すると言ってよいでしょう。
要するに、信用と信頼が大切なのですが、それを得るもっとも有力な手段として『事業計画書』があるのだと言ってよいでしょう。
しかし、『事業計画書』を作成するだけで、なぜ信用が得られるのかと思われる方もいるかもしれませんね。私は『事業計画書』を作成することには、以下の効用があり、それがあなたへの信用に結びつくのだと考えます。
1)『事業計画書』を作成できるということは、その事業に紙に落とせるだけの内容があるということ
2)紙に書いたことは、協力者に対しての1つの約束として機能するということ
3)『事業計画書』を作成することにより、それが明確な目標として機能し、みんながそれに向けて一丸となることにより、求心力が生まれてくるということ
などです。だから、同じ内容であるならば、紙に落ちている方が、協力者の協力が得易いということになるでしょう。
金融機関の融資には、民間融資と公的融資があります。民間融資には、代表的なものに銀行がありますが、起業時に融資を受けるのは非常に難しいでしょう。銀行からの融資は起業後、早くても1年後、通常は2〜3年後してから初めて融資が受けられると考えていた方が無難でしょう。
公的機関である国民生活金融公庫や自治体の融資のほうが、融資を受けやすいでしょう。これらの融資には起業時融資を目的とした融資もありますので、是非活用すべきでしょう。金利は2%前後、償還期限は5年〜10年のものが多いようです。
出資者については、第一に家族や知人などの共同出資者等が考えられます。もう一つ考えられるには、昨今非常に盛んなベンチャーキャピタルからの出資です。このベンチャーキャピタルからの出資が得られれば、あなたの事業は、かなり大きな事業へと発展する可能性が大きいと言えるでしょう。
※ ベンチャーキャピタルとは、成長の可能性が高いベンチャービジネスに対する出資を主な業務とし、投資先のベンチャービジネスが成功し、株式を公開して得られるキャピタルゲイン(有価証券売却益)を主な収益源とする企業のことです。
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